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14話 初めての庇護と、豪華な屋敷の緊張

Auteur: みみっく
last update Date de publication: 2025-09-29 06:00:15

「ユウヤ様……何を……されているのですか?」

 ミリアの "青く透き通った瞳" が、少し困惑したように俺を見上げる。その目には、疑問符が浮かんでいた。

「ミリアの頬が柔らかくてスベスベで気持ち良いから、触って癒やされてるだけだけど?」

 俺は、悪びれる様子もなく答えた。

「ううぅ……やめてくださいませ……」

 ミリアが頬を赤くして恥ずかしそうな意外な反応をしてきた。ん? ミリアがイチャイチャしてるのを嫌がってる? 嫌がっては無いようだけど……彼女の指先が、俺の腕を軽く叩いた。

「え? 何で?」

「もう……到着しているのですよね?」

 ミリアは、急に焦り出す。その瞳は、屋敷の方向を見つめていた。

「うん。15分くらい前にね」

「えぇ……それでは屋敷の者が皆、外で待っているのでは?」

 ミリアは急に焦り出す。その顔は、真っ青になっていた。

 ドアを開けると外でメイドさん達がずらりと並んで待っていたので……ミリアに恥を掛かせる訳にはいかないので、とっさに俺の方が寝てたように眠そうな顔をした。

「ふぁぁ~……良く寝た……ミリア待たせちゃったみたいで悪いな~」

 俺は、大きなあくびをしてみせた。ミリアが頬を赤くして小声でお礼を言ってきた。

「すみません……ありがとうございます。ユウヤ様」

「起こさなかった俺も悪いしね……」

「その様な事はありません……幸せでした。それに……庇ってもらえるなんて初めてで嬉しいですわっ♡」

 ミリアは、 "青く透き通った瞳" を潤ませながら、心から嬉しそうに俺を見つめる。その瞳は、キラキラと輝いていた。そうなの? まあ……皇女殿下を庇う事なんて普通は無いか。多少、何をしようと怒られることは無いと思うし。高級な花瓶を割った所でミリアがケガをして無ければ許されそうだし、ケガをしてたら花瓶を置いた者が罰を受けそうだしね。

 普段なら、こんな状況にはならないだろうし……他の者がミリアと二人っきりになったとしたらミリアは寝たりはしないだろうし。寝ているミリアの馬車に乗り込む者はいないか。さっきも隠れていた護衛が阻止するだろうし。

 屋敷の中に入ると奴隷として売られそうになっていた娘が心配な表情をして、まだソファーに座っていた。彼女の目には、不安と、わずかな希望が入り混じっていた。

♢娘の緊張とミリアの「初めての緊張」

「解決してきたから、もう家に帰っても大丈夫だよ」

 俺が娘にそう告げると、彼女の顔に安堵の色が広がった。その瞳には、ようやく解放されたという喜びが浮かんでいる。

「ホントですか?」

 娘は、信じられないといった様子で尋ね返した。

「うん。金貸しの店は、無くなって皆捕らえられたし大丈夫じゃないかな。それで一人で帰れる?」

「はい! 大丈夫です……有難う御座いました」

 娘は深々と頭を下げた。その姿は、心からの感謝を表しているようだった。頭頂部が見えるほど丁寧に下げられた頭は、彼女の真摯な気持ちを物語っていた。

「それより、モジモジしてるけどトイレとか食事はしたの?」

 ユウヤが優しく尋ねると、娘は顔を真っ赤にして、必死に訴えかけてきた。その声は、今にも泣き出しそうだった。

「ううぅ……トイレ行きたかったです……っ」

「まぁ……お屋敷は緊張するよなぁ」

 ユウヤは、娘の気持ちを理解し、同情するように頷いた。

「は、はい……きんちょうしますね……あ、あの……一緒にお願いしますっ!」

 あ、その気持ち分かるわ……こんな大きな屋敷だと迷子になりそうだし、周りが豪華だから緊張もするよね。メイドさんや護衛、使用人が大勢いるし。そのプレッシャーは想像に難くない。

「あ……うん。良いよ」

 俺が承諾しようとすると、すぐにミリアの声が割り込んだ。その声には、鋭い緊張が走っていた。

「ダメです!何でユウヤ様が一緒に行こうとしてるのですか!……そこの貴方!その子に付いていきなさい!」

 ミリアは近くに居たメイドさんに鋭い視線で指示を出した。メイドさんに緊張をして、トイレに行けなかったと思うんだけど?ミリアの指示は、娘の状況をさらに悪化させるだけだと俺は思った。

「勿論、途中までだって!」

 俺がメイドさんを気遣うように言うと、ミリアは青く透き通ったキラキラした瞳をわずかに細めた。その目には、不満と、ほんの少しの不機嫌さが浮かんでいるのが見て取れた。彼女の白い肌が一層際立つ。

「それでは、わたしもご一緒しますわ」

 ミリアは、有無を言わさぬ口調でそう告げた。彼女は、さっとユウヤの腕に自分の腕を絡ませた。

「うん。それで良いんじゃない」

 俺は、諦めて頷いた。ミリアに腕を組まれ、娘に服の袖を掴まれてトイレまで向かった。ミリアの腕はしっかりと俺に絡みつき、娘の指は震えていた。

「有難う御座います……それにしても豪華すぎますね……すごいです」

 娘はモジモジしながら話をしてきた。おいおい……余裕が無さそうだけど?その声はわずかに震えている。顔はまだ赤いままだった。視線は常に周囲の豪華な調度品を忙しなく追っていた。

「そんな話は後で良いから早くトイレに入りなよ」

 俺は、半ば呆れて促した。

「は、はい……漏れちゃいそうぅ……っ。うぅぅっ!」

 娘は、ますます焦った声を出した。その小さな体は、緊張と限界で小刻みに震えていた。

「そうなる前に、トイレに行けば宜しかったのに……」

 ミリアは少し呆れたように言う。その青く透き通った瞳には、純粋な疑問が浮かんでいた。トイレを我慢するという状況が、彼女には理解しがたいようだった。

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